News

――2011年3月11日、東日本大震災が起きました。さらに東京電力福島第一原子力発電所で事故が起き、日本社会は大きな混乱に陥ります。柄谷さんは反原発デモに参加され、デモの意義を説いて話題になりました。
本書は自身の経験に基づき、人生いかに生きるべきかを説いた指南の書。帯には「世を去る2週間前に遺(のこ)したメッセージ」とあり、だからだろうか、文章には考えていることを余すところなく伝えようとする、迫力がみなぎっていた。
古道具屋「ボロ」を営む友野ののこは、長らく見向きもしなかった野の花をつぶさに観察し、図鑑をめくってはその名を調べる。コメツブツメクサ、ノボロギクにヘビイチゴ。亡き祖父が愛した草花に彼女が向き合うたび訪れる小さな発見に、見ているこちらも頰が緩む。端正な ...
自宅の本棚。選評でも指摘された通り、山下澄人さんの小説には強く影響を受けている。異彩を放つのは室伏広治さんの『ゾーンの入り方』。「息抜きや集中のために室伏さん考案のトレーニングをやっています。紙風船をつぶさないように両手ではさんだり、足で踏んだり。体 ...
禅寺で修行中の少年時代の雪舟が涙を絵の具に足で描いたネズミを、住職が本物と見間違えたという説話はご存じだろう。その雪舟に勝るとも劣らないのが本作の主人公・ムネチカだ。
「文學界」に掲載されたしじまさんのプロフィール写真が印象的だった。証明写真のように「義務で撮っています」という感じを受けたのだ。この人には誰かに自分を知ってもらいたい、作品を読んでほしい、そんな気持ちはないようにみえた。だから取材を受けてもらえたのがちょっと意外 ...
和風ファンタジーの名手・阿部智里さんの『皇后の碧』(新潮社)は、アール・ヌーヴォー様式から着想を得た壮大かつ緻密な謎が張り巡らされた新作ファンタジーです。構想から完成まで9年を要した背景についてインタビューしました。
鈴木翼さんの絵本「なんでやねん」シリーズフォト集 ...
コーポレートガバナンス入門(太田洋、岩波書店) 人生の大問題と正しく向き合うための認知心(今井むつみ、日本経済新聞出版) 世界秩序が変わるとき(齋藤ジン、文藝春秋) 移動と階級(伊藤将人、講談社) 東大生はなぜコンサルを目指すのか( ...
焼きたての香りに誘われ入ったパン屋で、お腹(なか)も心も満たされる。2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作の土屋うさぎ『謎の香りはパン屋から』は、謎解きとパンの魅力がぎゅっと詰まった連作短編集だ。今年1月に刊行され ...